プロジェクトマネージャ試験は、プロジェクトマネージャーとしての能力を証明する国家資格です。将来的にプロジェクトマネージャーへのキャリアチェンジを考えている方におすすめの資格です。プロジェクトマネージャー試験は、合格率が低く難易度も高いため、試験合格には効率的な勉強が必要です。
本記事では、プロジェクトマネージャ試験の難易度と合格率、受験料、勉強法などについて詳しく紹介します。
プロジェクトマネージャ試験とは
プロジェクトマネージャ試験は経済産業省が認定する国家資格であり、合格することでプロジェクトマネージャーとしての能力を証明できます。試験は、情報処理技術者試験の中でも最高位のレベルに区分されています。合格率は例年14%前後と難易度が高いですが、研修受講など受験の前提条件がなく、資格更新も必要ないことが特徴です。
プロジェクトマネージャーには、現場全体を管理し、プロジェクトを成功させるために重要な責任者としての役割があります。IT業界内でプロジェクトマネージャーの需要が高まる中、注目されている資格です。
プロジェクトマネージャ試験の出題形式
プロジェクトマネージャ試験の出題形式は、以下の通りです。
午前Ⅰ |
午前Ⅱ |
午後Ⅰ |
午後Ⅱ |
|
---|---|---|---|---|
試験時間 |
50分 |
40分 |
90分 |
120分 |
出題形式 |
多肢選択式 |
多肢選択式 |
記述式 |
論述式 |
問題数 |
30問 |
25問 |
3問 |
2問 |
回答数 |
30問 |
25問 |
2問 |
1問 |
午前Ⅰ/午前Ⅱ、午後Ⅰ試験は100点満点で基準点の60点以上、午後Ⅱ試験はAランク(A~Dの4ランク中)で合格となります。
午前Ⅰ試験は、以下のいずれかを満たすことで、その後2年間受験が免除されます。
- ・応用情報技術者試験に合格する
- ・高度試験または支援士試験に合格する
- ・高度試験または支援士試験の午前Ⅰ試験で基準点以上の成績を得る
プロジェクトマネージャ試験の出題範囲
プロジェクトマネージャ試験の出題範囲は以下の通りです。
午前Ⅰ試験の出題範囲
- ・テクノロジ系
- ・マネジメント系
- ・ストラテジ系
午前Ⅱの出題範囲
- ・テクノロジ系(セキュリティ、システム開発技術、ソフトウェア開発管理技術)
- ・ストラテジ系(システム企画、法務)
午後Ⅰ/午後Ⅱ試験の出題範囲
- ・プロジェクトの立ち上げ・計画
- ・プロジェクトの実行・管理
- ・プロジェクトの終結・評価手法
午後Ⅰ試験は記述式となっており、長文を読んで答えを短く的確にまとめる文章力が必要とされます。午後Ⅱ試験では、設問に対して自分の考えを論述形式で回答します。プロジェクトマネジメントの進め方に対する自分の考えをわかりやすく伝える文章力が求められます。
プロジェクトマネージャ試験の合格率
2017年から2022年の合格率は以下の通りです。
年度 |
応募者数 |
受験者数 |
合格者数 |
合格率 |
---|---|---|---|---|
2017年度 |
18,291 |
11,596 |
1,521 |
13.1% |
2018年度 |
18,212 |
11,338 |
1,496 |
13.2% |
2019年度 |
17,588 |
10,909 |
1,541 |
14.1% |
2020年度 |
9,672 |
6,276 |
948 |
15.1 |
2021年度 |
10,184 |
6,680 |
959 |
14.4% |
2022年度 |
11,745 |
7,382 |
1,042 |
14.1% |
参考:情報処理技術者試験 情報処理安全確保支援士試験 統計資料
合格率が14%前後を推移しており、難易度の高い試験であることがわかります。
プロジェクトマネージャ試験の勉強法
プロジェクトマネージャ試験は午前試験と午後試験で出題形式が異なります。それぞれの勉強法と学習に役立つテキストを紹介します。
午前試験
午前試験では、過去に出題された問題と類似の問題が出題される傾向があるため、過去問演習がおすすめです。短い試験時間の中で多くの問題に回答する必要があります。繰り返し問題を解きながら素早く正しい答えを見つける力をつけましょう。
午前試験対策におすすめの問題集は、アイテックIT人材教育研究部の「徹底解説プロジェクトマネージャ本試験問題」です。直近3回の過去問題と、分析にもとづいた詳しい解説が掲載されています。正答だけでなく、間違った選択肢についてもわかりやすく解説されています。
また、それ以前の過去問については、IPAのサイトにて無料でダウンロードできるため、試験前の実力チェックに使うのもおすすめです。
参考:IPA
午後試験
午後試験は記述式と論述式での回答となります。文章を書くには慣れとコツが必要となるため、論理的に文章を書く練習をしましょう。午後試験の対策におすすめの参考書は、「プロジェクトマネージャ合格論文の書き方・事例集」です。本試験で出題された論文問題が多数収録されており、得点アップにつながるテクニックなども紹介されています。
参考:「プロジェクトマネージャ 合格論文の書き方・事例集 第6版」
プロジェクトマネージャ試験を受験しよう
実際にプロジェクトマネージャ試験を受験する際の手続きを確認しておきましょう。
申込方法
IPAのホームページより試験の申し込みを行います。試験申し込み時に試験地を選択します。 ※午前Ⅰ試験免除を希望する場合は、受験申し込み時に申請が必要です。
受験料
受験料は7,500円(税込)です。
試験日程
試験は年に1回実施され、例年10月の第2日曜日が試験日となっています。
まとめ
プロジェクトマネージャ試験の難易度と合格率、受験料、勉強法などについて紹介しました。プロジェクトマネージャ試験は、プロジェクトマネージャーとしての能力を証明する国家資格です。例年の合格率が14%前後と難易度の高い試験であるため、試験合格には効率的な勉強が必要です。将来的にプロジェクトマネージャーへのキャリアチェンジを考えている方におすすめの資格です。