LPICは、ITエンジニアを目指す人や、キャリアアップを考えるインフラエンジニアの間で人気の資格です。一方で、「LPICは国家資格なの?」「国際資格とどう違うの?」といった疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。国家資格と国際資格は、どちらもキャリアアップやスキル証明に役立つ資格ですが、目的・活躍したい分野・評価される場面が異なるため、違いを理解しておくことが重要です。
本記事では、LPICの位置づけを整理しながら、国家資格と国際資格の違いや、取得するメリットなどについて詳しく解説します。これからLPICを受験しようと考えている方はもちろん、どの資格を取るべきか迷っている方も、ぜひ参考にしてください。
LPICは国家資格ではない?国際資格との違いを整理
LPICは、カナダに本部を置くLPIが認定する、世界共通のLinux技術者認定資格です。つまり、LPICは国家資格ではなく国際資格に分類されます。国家資格と国際資格の違いは以下の通りです。
| 区分 | 国家資格 | 国際資格 |
|---|---|---|
| 認定主体 | 各国の政府機関(日本では経済産業省やIPAなど) | 国際的な非営利団体や認定機関 |
| 評価範囲 | その国の基準・法制度に基づく | 世界共通の技術基準やスキルフレームワーク |
| 代表的な資格の例 | 基本情報技術者試験、応用情報技術者試験など | LPIC、AWS認定など |
国家資格は「国内で通用する公的な証明」、国際資格は「グローバルに通用する技術スキルの証明」と言えます。
LPICが「国際資格」として評価される理由
以下の理由から、LPICは国際資格として評価されています。
- 世界180か国以上で受験可能なグローバル資格である
- 英語を含む多言語で試験が提供され、共通のスキル基準を採用している
- 日本だけでなく海外企業や外資系IT企業でも評価対象になっている
Linuxは世界中のサーバやクラウド環境で標準的に使われており、LPICを取得することで「どの国でも通用する技術力」を証明できます。

LPICを取得するメリットと活かし方
LPICを取得する魅力は、「Linuxの専門スキルを国際的に証明できる」点にあります。ここでは、LPIC取得の具体的なメリットと、取得後の活かし方を紹介します。
メリット1: 世界共通のLinuxスキルを証明できる
LPICは世界180か国以上で認定されており、グローバル基準の技術力を証明できます。外資系企業やクラウド事業者など、Linuxを基盤とする環境では特に高く評価されており、海外拠点を持つ企業や国際プロジェクトへの参画を目指す際には、「LPIC=世界で通用するスキル証明」として強力なアピール材料になります。さらに、AWSやCompTIA資格と組み合わせれば、より信頼性を高められます。
メリット2: 実務スキルを体系的に学べる
LPICのカリキュラムは、Linuxの導入から運用・セキュリティ管理までを網羅しています。現場経験者は知識を整理でき、未経験者や異業種転職者は基礎を体系的に学べるため、スキルの見える化にもつながります。学んだ知識を社内環境構築や仮想環境の演習などに活用することで、学習をそのまま実務スキルに変えることができます。
メリット3: 転職・昇進でのアピール材料になる
LPICを保有していることで、Linux環境を扱うインフラ運用・構築系の職種で有利になります。また、一部企業では資格手当や昇格要件として評価されることもあります。転職時には「LPIC学習を通じてサーバ構築を自動化」「トラブルシューティングを改善」など、実績として具体的に示すことで、実務に活かせる資格であることを示せます。
メリット4: 他の資格・技術との親和性が高い
LPICでLinuxの基礎を固めると、AWS・Azureなどのクラウド資格やCCNAなどのネットワーク資格へスムーズに発展できます。LinuxはITインフラの中核を担う技術であり、スキルの拡張性が高いのが特徴です。「LPIC → AWS認定 → セキュリティ系資格」と段階的に学ぶことで、クラウド・ネットワーク・セキュリティ分野にも対応できるマルチスキルエンジニアを目指せます。
国家資格と国際資格をどう使い分けるべき?
国家資格と国際資格は、どちらもキャリアアップやスキル証明に役立つ資格ですが、目的・活躍したい分野・評価される場面が異なります。ここでは、それぞれの特性と効果的な使い分け方を整理します。
国家資格:国内での信頼と基礎力を重視したい人
国家資格は、国が公式に認定する公的資格です。IT分野では「基本情報技術者試験」「応用情報技術者試験」などが代表例で、国内での信頼性・汎用性の高さが特徴です。
以下のような人に向いています。
- 日本国内の企業で安定したキャリアを築きたい人
- 管理職・マネジメント・教育職などを目指す人
- 幅広いIT知識を体系的に身につけたい人
- 公的機関・SIer・大手企業など、資格評価の高い職場を志望する人
国家資格で学ぶ知識は、プロジェクト管理・システム設計・情報セキュリティなど、あらゆる業務の基礎になります。また、社内評価・昇進・入札資格などで評価対象となるケースも多く、“国内での信頼を築く”ための強力な武器になります。
国際資格:実務スキルとグローバル対応力を磨きたい人
国際資格は、世界共通の基準で認定される資格で、LPIC・AWS認定・CompTIA・CCNAなどが代表的です。専門分野の実践的スキルを証明できるのが強みです。
以下のような人に向いています。
- クラウド、ネットワーク、Linuxなど専門分野で実務力を高めたい人
- 外資系企業や海外プロジェクトで活躍したい人
- 転職市場で即戦力として評価されたい人
- 英語ドキュメントやグローバル基準の技術を扱う業務に関わる人
国際資格で得た知識は、現場の設計・構築・運用業務に直結します。実際の環境構築演習や資格取得を通じて、“すぐ使えるスキル”を証明可能です。特に外資系企業やクラウド事業者では、「国家資格よりも国際資格の方が実務評価に直結する」場合もあります。
組み合わせることでキャリアの厚みを出す
国家資格と国際資格は、どちらか一方に偏るのではなく、「広く理解し、深く使う」ための補完関係として活用するのが理想です。以下のように組み合わせてステップアップしていくことで、「理論に強く、実務に強い」エンジニアを目指せます。
1.国家資格でIT基礎を理解する
→ 情報処理、ネットワーク、セキュリティの概念を整理
2.国際資格で実務スキルを身につける
→ LPICやAWS、CCNAなどで実践的な技術を習得
3.クラウド・セキュリティなど応用分野へ拡張
→ 専門性を高め、国内外どちらでも評価される人材へ
まとめ
LPICは、国家資格ではなく国際資格です。LPIが認定する世界共通の資格で、Linuxスキルを国際的に証明できる点が特徴です。
国家資格と国際資格は、どちらか一方ではなく、組み合わせて活かすのが理想です。国家資格で基礎を固め、国際資格で実践力を磨くことで、理論にも実務にも強いエンジニアを目指せます。資格はゴールではなく、キャリアを広げるための手段。目的に合わせて選び、学びを実務に結びつけることが成功への近道です。
