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LinuCとLPICはどちらもLinux技術者としての知識やスキルを証明する資格ですが、特徴が異なります。

本記事では、LinuCの概要やLPICとの違いについて説明します。どちらの資格がおすすめかも紹介しますので、ぜひ資格を選ぶ際の参考にしてください。

LinuCとは?

LinuC(リナック)は、日本のLPI-Japanが提供する資格試験です。Linuxを利用したシステム構築から運用管理に必要なスキルを証明できます。日本国内のニーズに合わせた内容で設計されているのがLinuCの特徴です。日本企業が求める実践的な技術や運用に関する問題が多く、より日本のIT業界にマッチした試験となっています。近年では、クラウドや仮想化技術に特化した出題が多い傾向があります。

LinuCの種類

LinuCは技術の領域や難易度で4つのレベルに分けられています。それぞれの試験に合格することで認定が受けられます。求められる知識や勉強時間の目安は以下の通りです。

種類 該当試験 求められる知識 勉強時間の目安
LinuCレベル1 101試験
102試験
Linuxシステムの基本操作とシステム管理が行える 1か月~3か月程度
LinuCレベル2 201試験
202試験
Linuxのシステム設計、ネットワーク構築において、アーキテクチャに基づいた設計、導入、保守、問題解決ができる 3か月~半年程度
LinuCレベル3 300試験
303試験
304試験
異種OS混在環境のシステム構築ができ、認証統合とリソースの共有ができる 半年~1年程度
LinuCシステム
アーキテクト
SA01試験
SA02試験
Linux の大規模なシステムのライフサイクル全体を俯瞰し、最適なアーキテクチャを設計・構築できる 半年~1年程度

※LinuCレベル1の取得には、101試験と102試験の両方に合格する必要があります。
※LinuCレベル2の取得には、LinuCレベル1の保有と、201試験と202試験の両方に合格する必要があります。
※※LinuCシステムアーキテクトの取得には、LinuCレベル2の保有と、SA01試験とSA02試験の両方に合格する必要があります。

参考:LinuCで証明できるレベル

LinuCとLPICの違い

LinuCとLPICはどちらもLinux技術者向けの資格ですが、認定団体や求められるスキルに違いがあります。

認定団体の違い

LPICはカナダのLinux Professional Institute(LPI)が提供しており、180以上の国で試験が実施されています。一方で、LinuCは日本のLPI-Japanが提供しており、日本国内では、多くの企業がLinuC資格を取得したエンジニアを評価しています。

言語の違い

LPICはグローバル基準に従い、英語で試験問題が作成されており、日本で受験する場合は、英語の問題を翻訳して出題されます。一方で、LinuCは日本向けの資格のため、はじめから日本語で試験問題が作成されます。公式サイトやテキストなどもすべて日本語で提供されるため、日本人にとってはわかりやすいものとなっています。

試験範囲と内容の違い

LPICは広範なLinux技術やインフラに関連する知識などグローバルで通用するスキルが問われます。LinuCは日本国内の実務で役立つ技術にフォーカスしており、実際の運用環境に近い問題が多く出題されます。クラウド技術など新しい分野の出題が多い一方で、近年では使われなくなってきた技術を省くなど、本当に役立つ技術を網羅的に問う内容となっています。

LinuCとLPICどちらがオススメ?

LinuCとLPICのどちらを選択すべきかは、キャリア目標や業務内容によって異なります。

日本国内でのキャリアを重視するならLinuC

日本企業で働くことを前提とし実践的な技術を重視する場合、LinuCがオススメです。特に日本の企業で求められるスキルセットに焦点を当てている点が強みです。クラウドやセキュリティ、ネットワークなどを含め、日々の業務で必要なLinuxの実践的な運用スキルを学習できます。

国際的に活躍したいならLPIC

グローバルなキャリアを目指す場合や、海外企業との取引が多い場合はLPICが適しています。国際的な認知度や評価が高く、海外でも通用するスキルを証明できます。特に、海外プロジェクトや多国籍チームでの仕事では、英語でのコミュニケーション力や、グローバルな標準に沿った技術が重要です。

まとめ

LinuCとLPICはどちらもLinux技術者としてのスキルを証明する資格ですが、それぞれに特徴と強みがあります。キャリア目標や業務内容に応じて、最適な資格を選びましょう。