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専門的な知識が求められるIT業界での就職を目指す場合、自身の能力を客観的に証明できる資格の取得が有効です。特に、IT国家資格は、国が認定する信頼性の高さから、採用条件として多くの企業で重視されています。

本記事では、IT国家資格とは何か、他の資格との違いについて解説します。主要なIT国家資格も紹介しますので、これからIT業界を目指す方や、キャリアアップを考えている方は、ぜひ参考にしてください。

IT国家資格とは?

「IT国家資格」とは、国が認定する情報技術に関連する資格です。ITの基礎から応用まで幅広い知識が求められるのが特徴です。資格に有効期限がないため、一生役に立つ資格と言えます。

代表的な資格として、経済産業省が実施する「情報処理技術者試験」が有名です。日本国内での知名度が高く、実務経験がなくても受験できます。IT業界の就職やキャリアアップで評価につながりやすいため、始めに取得するIT資格としておすすめです。

国家資格と民間資格(ベンダー資格)の違い

IT系の資格は、国家資格の他に民間資格(ベンダー資格)があります。以下でそれぞれの特徴を解説します。

国家資格

国家資格は、特定の企業や製品に特化しない知識を問われるのが特徴です。幅広い知識が問われるため、難易度も高い傾向にあります。

IT国家資格である「情報処理技術者試験」の場合、技術分野だけでなく、マネジメント系やストラテジ系など、企業を経営するために必要な知識や法令などの知識も求められます。また、技術の多様化・需要変化に対応できるITエンジニアの育成を狙いとしており、近年の技術動向なども踏まえて出題されるのも特徴です。

現在では、個人・組織のITに関する知識レベル・技術力の共通的・客観的な評価指標として、IT業界をはじめ、ITを利活用する組織や教育機関等でも、幅広く認知・活用されています。

民間資格(ベンダー資格)

民間資格は、IT製品やサービスを提供する企業や業界団体が独自に認定する資格であり、ベンダー資格とも呼ばれます。特定の技術や業界に特化しており、その分野での専門性を証明できるのが特徴です。

民間資格は国家資格と比べて認知度が低い場合もありますが、実務に直結する内容が多く、特定の職種や業界で即戦力として評価されることがあります。多くの場合、資格に有効期限があり、数年ごとに再試験に合格することで更新が必要です。

主な資格として、ネットワーク分野ではCisco認定資格、サーバー分野ではLinux認定資格、クラウド分野ではAWS認定資格があります。

主要なIT国家資格6選

IT国家資格として有名なのが、経済産業省が認定する国家資格です。ここでは代表的なものを5つ紹介します。これらの資格は、IT分野でのキャリアアップや専門性の証明に役立ちます。どの資格を取得するかは、目指す職種やキャリアパスに応じて選びましょう。

1. ITパスポート試験 (IP)

ITの基礎知識を身に付けたい人や、これからIT業界に挑戦したい人向けの資格です。ITの基礎知識を幅広く問う試験で、基本的なITスキルとITリテラシーを証明できます。IT分野への入門資格として、おすすめの資格です。

2. 基本情報技術者試験 (FE)

ITエンジニアやプログラマー、システム開発者向けの資格です。プログラミング、アルゴリズム、ネットワーク、データベースなどの基礎的な知識と技術が問われます。多くの企業が、新人ITエンジニアに求める資格とされています。

3. 応用情報技術者試験 (AP)

中級レベルのITエンジニアや、プロジェクトリーダー向けの資格です。ITの基礎知識に加え、より専門的な技術や管理能力が求められます。システム開発のプロジェクト管理やセキュリティ対策など、幅広い分野が試験範囲に含まれます。

4. ネットワークスペシャリスト試験 (NW)

ネットワークエンジニア向けの資格です。ネットワーク設計や運用に関する高度な知識と技術を問う試験で、通信プロトコル、ネットワークセキュリティ、ネットワークの構築・運用が試験範囲に含まれます。

5. データベーススペシャリスト試験 (DB)

データベース管理者向けの資格です。データベースの設計、構築、運用、保守に関する高度な知識を問う試験です。データベースに関する理論的知識や実践的スキルが求められます。

6. プロジェクトマネージャ試験 (PM)

プロジェクトマネージャやプロジェクトリーダー向けの資格です。ITプロジェクトの企画、計画、実行、管理に関する知識と能力を問う試験です。プロジェクトの成功に向けたリーダーシップや管理スキルが重視されます。

参考:独立行政法人情報処理推進機構

まとめ

IT業界でのキャリア形成やスキルの証明には、資格の取得が有効です。特に、IT国家資格は国が認定する信頼性の高い資格であり、就職や転職、キャリアアップにおいて有利に働くことが多いです。一方で、民間資格(ベンダー資格)も特定の技術や製品に特化したスキルを証明する手段として選択肢になります。職種やキャリアパスに応じて資格取得を検討しましょう。