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情報処理安全確保支援士試験は、情報セキュリティに関する専門的な知識やスキルを証明する国家資格です。近年、サイバー攻撃による情報漏洩などが増加する中、セキュリティに関する専門知識を持つ人材の重要性が高まっています。

本記事では、情報処理安全確保支援士試験の難易度と合格率、受験料、勉強法などについて詳しく紹介します。情報セキュリティマネジメント試験との違いについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

情報処理安全確保支援士試験とは

情報処理安全確保支援士試験は、「情報セキュリティスペシャリスト試験」から名称を変更し、2017年からスタートした国家資格です。試験合格後に登録申請することで、「情報処理安全確保支援士」を名乗ることができます。

参考:情報処理安全確保支援士試験

情報セキュリティマネジメント試験との違い

試験内容が似ていることから混同されやすいのが、情報セキュリティマネジメント試験です。どちらも情報セキュリティに関する知識を証明する国家資格ですが、試験の難易度が異なります。

情報セキュリティマネジメント試験は、情報処理技術者試験のスキルレベル2に分類されており、情報セキュリティの基礎的な知識が出題されます。合格率も50%前後と比較的やさしい試験となっています。

一方、今回ご紹介する情報処理安全確保支援士試験は、システム監査技術者試験などと同じレベル4に分類されており、問われる内容もより専門的です。記述問題も含まれるため、難易度が高いといえます。業務で情報セキュリティを専門に扱っている方や、セキュリティエンジニア、コンサルタントを目指す方には、情報安全確保支援士試験の受験がおすすめです。

情報処理安全確保支援士試験の出題形式

出題形式は、以下の通りです。

午前Ⅰ 午前Ⅱ 午後
試験時間 50分 40分 150分
出題形式 多肢選択式 多肢選択式 記述式
問題数 30問 25問 4問
回答数 30問 25問 2問

各試験100点満点で採点され、60点以上で合格となります。

情報処理安全確保支援士試験の午前Ⅰ試験は、以下のいずれかを満たすことで、その後2年間受験が免除されます。

  • ・応用情報技術者試験に合格する
  • ・高度試験または支援士試験に合格する
  • ・高度試験または支援士試験の午前Ⅰ試験で基準点以上の成績を得る

情報処理安全確保支援士試験の出題範囲

出題範囲は以下の通りです。

午前Ⅰ試験の出題範囲

  • ・テクノロジ系
  • ・マネジメント系
  • ・ストラテジ系

※高度試験と共通の問題が出題されます

午前Ⅱの出題範囲

  • ・テクノロジ系(データベース、ネットワーク、セキュリテイ、システム開発技術、ソフトウェア開発管理技術)
  • ・マネジメント系(サービスマネジメント、システム監査)

午後Ⅰ/午後Ⅱ試験の出題範囲

  • ・情報セキュリティマネジメントに関する知識
  • ・情報システムの企画・設計・開発・運用におけるセキュリティ知識
  • ・情報および情報システムの利用におけるセキュリティ対策
  • ・セキュリティインシデント管理

情報処理安全確保支援士試験の合格率

2020年以降の合格率は以下の通りです。

年度 応募者数 受験者数 合格者数 合格率
2020年度秋期 16,597 11,597 2,253 19.4%
2021年度春期 16,273 10,869 2,306 21.2%
2021年度秋期 16,354 11,713 2,359 20.1%
2022年度春期 16,047 11,117 2,131 19.2%
2022年度秋期 18,749 13,161 2,782 21.1%
2023年度春期 17,265 12,146 2,394 19.7%

参考:情報処理技術者試験 情報処理安全確保支援士試験 統計資料

合格率は20%前後を推移していますが、受験者の多くが基本情報技術者試験や応用情報技術者試験の合格者であることから、難易度は相対的に高いといえます。

情報処理安全確保支援士試験の勉強法

情報処理安全確保支援士試験には、プロジェクトマネージャ試験やITサービスマネージャ試験のような論述形式の問題がありません。そのため、参考書を利用しながら必要な知識を身につけることで、合格を狙うことが可能です。午前と午後それぞれの勉強法とテキストを紹介します。

午前試験

午前試験は、過去問が流用される場合が多いため、過去問演習に重点をおいた学習がおすすめです。過去問題は、IPAの公式サイトから無料でダウンロードできます。また、ネットワークとセキュリティに関しては午後試験でも問われるため、参考書を用いて体系的な知識を身につけておきましょう。重点的に学習することで、午後試験対策にもなります。

おすすめの参考書は、翔泳社の「情報処理教科書シリーズ」です。試験の全範囲を網羅する情報量の多さと、読みやすい文体、図の多さが特徴の参考書となっており、過去問演習の補助として役立ちます。

参考:「情報処理教科書 情報処理安全確保支援士 2023年版」
参考:IPA

午後試験

午後試験は記述式のため、内容を理解して説明する力が求められます。過去問演習で回答パターンをつかみながら、参考書を使って知識を整理しながら学習を進めましょう。

おすすめの参考書は、「情報処理安全確保支援士 専門知識+午後問題の重点対策」です。午後試験に出題されやすいテーマに絞って解答のテクニックが解説されており、出題される可能性のある分野を重点的に学習できます。

参考:「2023 情報処理安全確保支援士 専門知識+午後問題の重点対策」

情報処理安全確保支援士試験を受験しよう

実際に情報処理安全確保支援士試験を受験する際の手続きを確認しておきましょう。

申込方法

IPAのホームページより試験の申し込みを行います。
※午前Ⅰ試験免除を希望する場合は、受験申し込み時に申請が必要です。

受験料

受験料は7,500円(税込)です。

試験日程

試験は年に2回、春(4月)と秋(10月)に実施されています。

まとめ

情報処理安全確保支援士試験は、情報セキュリティに関する専門的な知識やスキルを証明する国家資格です。情報セキュリティマネジメント試験と比較して合格率が低く、難易度も高い試験ですが、より専門的なスキルを証明できます。業務で情報セキュリティを専門に扱っている方や、セキュリティエンジニア、コンサルタントを目指す方におすすめの資格です。