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ネットワークスペシャリスト試験は、ネットワーク分野に関する知識や能力を証明する国家資格です。情報処理試験の高度試験に分類され、取得が難しい資格ですが、IT業界での認知度や信頼度が高いのが特徴です。

本記事では、ネットワークスペシャリスト試験の合格率と難易度、勉強法、受験料などについて詳しく紹介します。

ネットワークスペシャリスト試験とは

ネットワークスペシャリスト試験は、ネットワーク分野に関する専門的な知識や能力を証明する国家資格です。ネットワークの企画から運用・保守まで幅広い分野の知識が問われ、合格率は14%前後と難易度の高い試験です。

ネットワーク関連の資格として代表的なものに、Cisco社のベンダー資格であるCCNPがあります。CCNPはネットワークに関する実用的なスキルが求められる試験であり、有効期限が設けられています。

一方で、今回ご紹介するネットワークスペシャリスト試験は、CCNPより汎用的で幅広いネットワークの知識が求められる試験です。国家資格であり、有効期限がないという観点からも取得するメリットのある資格です。

参考:ネットワークスペシャリスト試験

ネットワークスペシャリスト試験の出題形式

出題形式は、以下の通りです。

午前Ⅰ 午前Ⅱ 午後Ⅰ 午後Ⅱ
試験時間 50分 40分 90分 120分
出題形式 多肢選択式 多肢選択式 記述式 論述式
問題数 30問 25問 3問 2問
回答数 30問 25問 2問 1問

午前Ⅰ/午前Ⅱ、午後Ⅰ試験は100点満点で基準点の60点以上、午後Ⅱ試験はAランク(A~Dの4ランク中)で合格となります。

午前Ⅰ試験は、以下のいずれかを満たすことで、その後2年間受験が免除されます。

  • ・応用情報技術者試験に合格する
  • ・高度試験または支援士試験に合格する
  • ・高度試験または支援士試験の午前Ⅰ試験で基準点以上の成績を得る

ネットワークスペシャリスト試験の出題範囲

出題範囲は以下の通りです。

午前Ⅰ試験の出題範囲

  • ・テクノロジ系
  • ・マネジメント系
  • ・ストラテジ系

※高度試験共通の問題が出題されます

午前Ⅱの出題範囲

テクノロジ系の分野から以下の分野が出題されます。

  • ・コンピュータ構成要素
  • ・システム構成要素
  • ・ネットワーク
  • ・セキュリティ
  • ・システム開発技術
  • ・ソフトウェア開発管理技術

※ネットワークスペシャリスト試験の午前Ⅱでは、他の高度情報処理試験で出題範囲とされるマネジメント系分野、ストラテジ系分野からの出題はありません。

午後Ⅰ/午後Ⅱ試験の出題範囲

  • ・ネットワークシステムの企画・要件定義・設計・構築・運用・保守
  • ・ネットワークサービス活用に関すること
  • ・ネットワークアプリケーション技術に関すること
  • ・ネットワーク技術、関連法規に関すること

ネットワークスペシャリスト試験の合格率と難易度

2018年以降の合格率は以下の通りです。

年度 応募者数 受験者数 合格者数 合格率
2018年度 18,922 12,322 1,893 15.4%
2019年度 18,342 11,882 1,707 14.4%
2021年度 12,690 8,420 1,077 12.8%
2022年度 13,832 9,495 1,649 17.4%
2023年度 15,239 10,396 1,482 14.3%

※2020年度の試験は、新型コロナウイルス感染症の影響で中止になりました。

参考:情報処理技術者試験 情報処理安全確保支援士試験 統計資料

年度によって差があるものの、直近5年間の合格率平均は14%前後となっています。このことから、高度試験の中でも難易度の高い試験であることがわかります。

ネットワークスペシャリスト試験の勉強法

ネットワークスペシャリスト試験は、午前試験と午後試験で出題形式や出題内容が異なるため、それぞれに合った勉強法が必要です。

午前試験

午前試験の勉強法でおすすめは過去問演習です。過去に出題された問題と同じ問題が出ることが多いため、過去問題を重点的に解きましょう。IPAの公式サイトから無料で過去問題をダウンロードできます。また、午後Ⅱ試験は、テクノロジ系分野のみから出題されます。ネットワーク分野とセキュリティ分野を集中的に学習しましょう。

おすすめの参考書は、翔泳社の「情報処理教科書シリーズ」です。試験で問われる基礎知識だけでなく、出題傾向に合わせた詳しい解説が掲載されており、問題演習でわからなかった部分を深く理解できます。

参考:「情報処理教科書 ネットワークスペシャリスト 2023年版」
参考:IPA

午後試験

午後試験は記述式と論述式の問題となります。長文を読み、簡潔に答えをまとめる練習をしましょう。最新の技術に関する問題が出題されることもありますが、問題文中に解答のヒントとなる説明が記載されているため、ネットワークの基礎が理解できていれば解答できます。身につけたネットワークの知識を応用できるかどうかが午後試験のポイントです。

おすすめの参考書は、「ネットワークスペシャリスト 専門知識+午後問題の重点対策」です。午後試験の解放テクニックが詳しく解説されており、伝わる答案を作成する力が身に付きます。

参考:ネットワークスペシャリスト 専門知識+午後問題の重点対策

ネットワークスペシャリスト試験を受験しよう

実際にネットワークスペシャリスト試験を受験する際の手続きを確認しておきましょう。

申込方法

IPAのホームページより試験の申し込みを行います。

※午前Ⅰ試験免除を希望する場合は、受験申し込み時に申請が必要です。

受験料

受験料は7,500円(税込)です。

試験日程

試験は年に1回春に実施されており、例年4月の第3日曜日が試験日となっています。

まとめ

ネットワークスペシャリスト試験は、ネットワーク分野に関する知識や能力を証明する国家資格です。直近5年間の合格率平均は14%前後と難易度の高い試験です。ネットワークエンジニアとして働きたい方だけでなく、資格を取得してステップアップしたい方や、キャリアチェンジを考えているかたにもおすすめの資格です。